自作高地性ネペン温室
こんばんは。
がらすけです。
今回は9月に作成した高地性ネペン用の温室の紹介と完成までの流れです。
多分長くなります。
経緯
以前からローベンが欲しかったのと、低地性温室に置いてあったベントリ系がどんどん小っちゃくなってしまったので連休あるし10月の即売会に向けてちゃんとしたものを作っちゃおうという感じでした。
前から作ろうとは思っていたんですがほとんどの植物を部屋に置いてあることもあり場所がなかったので先送りになっていましたが、いい機会なので草関係以外はほとんど処分しました。どうせガラクタばっかりだったしね。
1,設計
設計をする時はまず下記のことを決めます。
・置き場所はどこか
・大きさはどのくらいまでか
・電源はどこからとるか
・必要な設備、それらの配置
・何を入れるのか
この辺りが決まればあとは自ずと決まってきます。
電源と何を入れるのかはもう決まっているので、今回は最初に置き場所を決めます。
作ったはいいが部屋に置くとこないじゃあシャレにならないですし。
ワーディアンケースみたいなものは以前作ったんですけど、縦長で天井付近まで来てしまい火災報知器の点検ができないという状況なので今回解体し一部流用します。
こんなやつ
このあたりのことをふまえると今回は最大で幅1800高さ1700mm奥行700mm程度になりました。
全部温室にしてしまうと必要なものが置けなくなってしまうので必要なものを考えていきます。
高地性ネペンテスを置くという前提があるので冷却設備は必要です。
当初は上部に扉がありある程度温度調整のできる冷凍庫を冷却装置とし、循環液に不凍液を利用し冷やそうと思っていたのですが置き場所が確保できそうもないので断念しました。
そこで他の方もやっているように水槽用クーラーを利用します。
中古品が手に入ったのでこれを基に設計します。
どこに置くのか?→重量的に床です
どうやって冷やすのかは先に述べた方法です。
最終的に樹脂製のクーラーボックスに冷水を溜め、温室内の温度が設定より高くなったら循環させる方法になりました。
冷却部分はエアコンを参考にしてます。
10mの銅管をぐるぐる巻いてそこに風を送って冷やすみたいな。
あとは排水を溜めるタンクもいりますね。
必要な設備はわかったのでこの中で一番背の高いものに合わせます。
今回は水槽用クーラーで高さが500mm程度でした。
ここからホースの分なども考慮すると650mmあれば大丈夫そうです。
じゃあ高さ650mmを引いて温室の高さは1000mmちょっとまでは大丈夫そうです。
サイズがなんとなく決まったので前述の旧ワーディアンケースを見てみると枠の大きさがちょうどいい感じでした。
フレームはこれを使います。
フレームは大体決まりましたので内装・外装を考えていきます。
絶対に守らないといけないのが水漏れの防止です。
これは室内栽培では特に気をつけないとやばいです。
外装
光は上部から取り入れるので天板は透明な板を使います。
LEDライトが熱くなるので耐熱性のあるもので透明なもの、なおかつ強度のあるものということでいつもの中空ポリカでいきます。
背面は光を反射させたいのでアルミシートを貼ります。
ただ、普通に貼るだけだとアルミの部分が溶けてしまったことがあったので透明な板でカバーをします。
ここは透明であればいいので塩ビ板を使います。
次は左側です。
ここからケーブルなどを入れるので2枚の板を使い1cmほど隙間を空けておきます。
右側は特に考えていません。
という感じで最終的にどうなるのかをイメージします。
イメージできたら今までのところをまとめます。
こんな感じになりました。
あまり詳細に書いたところで木材の反りだったりなんやかんやで調整は必要なので大体で書いておきます。
あとは土台となる部分も書いておきます。
大体で(
これで設計は完了です。
ここから足りない材料を集めていきます。
2.材料集め
基本的にホームセンターで買えるものを使ってますのでここはあんまり書くこともないんですが、事前にどの板をどう切ってもらうかとかは書きましょう。
ここを考えるのに一週間毎日ホームセンターに通いました。
予算の兼ね合いもありSPF材と塗装コンパネをメインに使うことにしました。
ウレタン塗装がしてあるので耐水性はあると思います。多分大丈夫。
あとは中空ポリカやら塩ビ板なども購入し必要な材料は集まりました。
早速組み立てていきます。
3.加工
時間がないので作業中の写真があまりありませんでした。
こんな感じで箱を作っていきます。棺桶ではないです。
背面は背面フレーム内にアルミシートと断熱材を入れ、針葉樹合板で蓋をしています。
塩ビ板は側面フレームと背面フレームの間に挟んでいます。
隙間はアルミテープで埋めています。
塩ビ板がかなり柔らかいので気をつけないと片側だけたわみます。これは上部がだいぶたわんでしまったのでネジで無理矢理固定してあります。
左底面にあるのは排水口です。
手前の白い枠は扉を入れるレールです。
扉を入れるとこんな感じになります。
それっぽくなってきましたね。
ここまでできたらフレームの加工は完了なので隙間をバスコークで埋めていきます。
ここで利用するものは水槽でも使えるものにした方が無難です。
普通のシーリング剤でも乾かしてあく抜きすれば使えるという話も聞きますが怖いのと部屋に他の植物もあるため防カビ剤の入っていない水槽の補修で使えるものを使用しました。
しっかり埋めたら書いてある時間分乾燥させます。
乾燥が終わったらアク抜きをするんですが水につけるということはできないので洗い流す程度で済ませました。
これでケースの作成は完了です。
ここから冷却装置などを設置していきます。
4.設置
冷却に利用する銅管です。Amazonで買いました。
これを曲げて固定してやると...
こうなります。
このままだとあまり冷えなかったので外側を囲んでいきます。
こんな感じで。
だいぶ冷えるようにはなりましたがちょっとパワーが足りていませんので冷却部を追加します。
最終形態。
ラジエーターとファンでさらに冷やします。
これで室温30℃でも十分冷やすことができました。銅管いらなかったんじゃないかな
ラジエーターを使う場合なんですけど結露がひどくそのままだとファンから出る風が全然通りませんでした。
なのでファンのパワーが高いものを使うかラジエーターの穴を広げるなどの対策が必要になります。
風量?静圧?なにそれって感じなのでこんな感じでラジエーターの穴を広げました。
マイナスドライバーを突っ込んで広げていきます。
途中経過
気が遠くなるような作業ですがこれをしたところかなり風の通りが改善されました。
それでも穴を広げる+ファンを増やしてなんとかってレベルなので最初から車などのラジエーター使えばよかったんですけどね。そんなもの家になかったので。
冷水を溜める部分はこんな感じです。
右側のクーラーで冷やして左側のクーラーボックスに溜めるといった方法です。
水の冷却と温室の冷却を別経路にした理由はコンプレッサーの保護です。
気温が上がったら作動するとコンプレッサーが冷える前に再稼働してしまいあまりよくないということを聞きましてこうしました。
水温は10℃前後でキープできるようにサーモスタットで管理しています。
ここはホースに断熱テープを巻いて完了です。
温室には昼:25℃程度 夜:15℃程度 となるようにここもサーモスタットで制御しています。タイマーつきのサーモってほんと便利ですね。
あとは上部にライトを置いて完了です。
ここではこのライトを使っています。一部焼けるくらいめっちゃ明るいです。
色のせいなのか単に出力が高いせいなのかはわからないです。
赤青とオレンジと白とありますがどれがいいんでしょうね。
この話は別で書くとして、今後もうちょっと出力の低いライトをもう一つ追加する予定です。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
ここからは現在の様子を紹介していきます。
百均で使えそうなものを用意し現在はこのようになっています。
数値上は
温度 昼間25℃程度 夜間15℃程度
湿度 60~95%くらい 60%切ったら加湿器が作動しますが基本的に水撒くだけで湿度は維持できています。
光:LEDのみ 7時~23時までの点灯
プチプチシートなどで区切れば冷えすぎないけど暑くはないという環境も作れます。
少し前まで奥の方にN.alataなどのネペンテスやメキピンを入れていましたが、調子は良さそうでした。今は別にケースを作ったのでそちらへ移動しました。
久しぶりに書いたので疲れました。
読み返す気力もないので日本語おかしいところがあるかもですが多めに見てください。
気づいたら直していきます。
質問とかある方はコメントでもTwitterでもいいので気軽に連絡ください。
わかる範囲でお答えします。
それでは。